梅雨にはいると、雨にぬれた木々の葉は緑が一層美しく、心洗われる思いです。じっと雨を見ていると、日本の湿潤な風土が少なからず私達の生活や考え方にも影響を及ぼしていると思ったりします。そして何と言っても水田に水が満ち、早苗がのびていく風景は日本の原風景と言ってもいいでしょう。
水は高い所から低い方に流れる当たり前の論理で水田は古い時代から確保されて来ました。おかげ様で佐川南土地改良もいよいよ始動となりましたが、野木町の水田も出来るだけ不耕作にならないように、効率良く担い手が継承出来るよう、対策を施していかなければなりません。水田といえば、東日本大震災で被災した用水路被害の大部分は旧河川の流れに沿った液状化現象によるものでした。古い川の流れはどう補っても影響は免れませんでした。
野木町は比較的自然災害も少ない安全な町だと思いますが、水害への備えは重要だと思っています。栃木市との合同水防演習や友沼・川西地区避難訓練等はその一環です。また利根川のバックウォーターや思川上流からの増水に備え、常に監視体制には、万全を期しています。最近各地で問題となっている都市雨水排水処理も長期的展望が必要な時だと思います。高低差が少ない野木町の雨水の処理はこれからもっと工夫を要します。
雨のしずくを見ながらその行き先を考えさせられました。
2012年広報のぎ6月号掲載