秋海棠(しゅうかいどう)の花が咲くと、私は秋の訪れを感じ、なぜか急に本など静かに読みたくなります。夏の間、外に向かってはしゃいでいた気持ちがぐっと心の内側に向かい、何かと物思いにふけったり空想を巡らしたり致します。そんなときには昔読んだ本などを取り出しては読み返してみたり、本屋さんに言って新しい本を何冊も買ってきたり(本当に全部読めるかどうかは別として)して無性に読書意欲がわいてきます。秋には読書が良く似合う?かも知れません。
秋の夜長を本などとり出してじっくり読み進める事が出来るとしたらそれは大変豊かな時間の過ごし方だと思います。普段はテレビ等で次々映像や音が溢れる日々ですが、たまには静かに本を読むのもかえって新鮮でいいのではないかなあ、と思っています。
行間の中に思いをはせて自由に自分の空想の世界を作り上げる事が出来るのですから楽しい限りです。本を読む楽しみは私にとって一人でいつでもどこでも味わえる数少ない体験としてこれからも続けていきたいと思います。
野木町では奇しくも11月16日(日)に読書の町宣言を致しますが、まさしく多くの町民の皆様に「読書」に親しんでいただき、そのよろこびを味わっていただくきっかけになればと期待しております。
昔読んだ本ももう一度読み返すと驚くほど違う角度で迫ってきます。単純にまだまだ読み返す事も含めてこれからどのくらいの本がよめるのかなあ、、、案外そう多くはないかも知れません。貴重な時間、有効な過ごし方が出来ればと思っています。
本は時代も場所も関係なく未体験ゾーンを提供してくれる玉手箱です。改めて読書の意義と効用を考えて、
まずその楽しみに浸りたいと思います。
心の友として「本」が一役を担ってくれるので秋の夜長も退屈しません。
2014年広報のぎ10月号掲載