野木町は関東平野の真ん中に位置しています。平坦な町の地形から、冬になると景色が透明度を増してはっきり見えてくるので、遠く連なる日光の雪山や赤城の山々、朝日に映えるダイヤモンド筑波、夕空に浮かぶ富士山シルエット、と素晴らしいパノラマ風景が味わえます。
一年待った甲斐があってのこの明瞭な風景が見られるのかと思うと、「野木町に住んでいて良かった」とつくづく思います。首都東京に近く、しかも豊かな自然が残っている野木町の魅力度は高いと思います。
その中でも西側に広がる渡良瀬遊水地の自然は、特に大切な資源であり、まだまだ利活用には可能性がいっぱい残っていると思います。四季折々の雄大な自然の美しさは、心癒されるものです。しかし、いつもは美しく、のどかでさえある遊水地も、いざ台風、豪雨が来ますと、平地ダムと化して、治水に役立つ存在となることを十分認識しなければならないと思います。これからは「想定外だから」ということは理由にはならない時代です。
特に遊水地にからむ野木町地区の工事は国交省に率先して行っていただいております。思川河道掘削、右岸の堤防拡幅延長、水防拠点整備、左岸の築堤等を国の事業として推進していただいています。もちろん町も協力体制を組み、一歩も引かずに備えていきます。
美しい自然の素晴らしさは十分謳歌し楽しむことはもちろんですが、その中にも潜んでいる「猛威」をよく認識し、今後は想定外を想定内に含めて検討していく時代だと思っています。野木町の安全安心を守るためにも皆様とともにこれからも防災策には特に重点的に取り組み、安心して暮らせる基盤を作ってまいります。
昨年選ばれました「本当に魅力ある自治体県内第一位」にふさわしくあるためにも、安全策は万全でなければ成り立たないことです。より輝く町となるためにも豊かな自然を保全するとともに、その自然の脅威にも十分備えていきたいと思います。
2020年広報のぎ2月号掲載