今年も野木神社のフクロウのヒナがかえりました。新しい生命の誕生の知らせは、うれしく明るい話題です。野木神社は自然豊かな遊水地の近くに位置するため、フクロウにとって暮らしやすい環境なのでしょう。白いひな鳥の愛くるしいつぶらな瞳に見つめられると幸せな気持ちになります。幸せを呼ぶ「招福の鳥」フクロウが町の鳥で本当に良かったですね。
また「子育てしやすく、暮らしやすいまち」野木町としましても、フクロウの今後の子育てを見守っていきたいと思います。お父さんがえさを捕獲し、お母さんに渡し、お母さんはそれをかみ砕いてこどもに与える様子は何ともほほえましい限りです。家族の愛情が感じられます。そしてひな鳥が自分で捕食し充分飛べるようになった時には、独りで生きていくことができるように、親は幼鳥をテリトリーから追い払うようです。これは厳しくも理にかなった、種を保つための摂理です。
子どもを育てる中で、保護すべき時と自立・独立させる時期とを逃さないフクロウ親子から学ぶことが多くあります。真っ白くモフモフとした幼鳥から成鳥までの成長過程は、親と子という関係において我々人間にも通じるところが多くあると思いました。
私は、かつて「親」という字の成り立ちは「木の上に立って見る」と聞いた事を思い出し、親が適度な距離で常に見守るフクロウ親子を見ていて、親と子の立ち位置に思いをはせました。
2022年広報のぎ7月号掲載