今年ももうすぐ終わりに近づき、振り返ってみるとトピックスはやはり、3月11日に発生した東日本大震災だと思います。未曽有の災害で、亡くなられた多くの方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。野木町では幸い人的被害がなく、県内でも他に比べれば被害は少ない方でしたが、屋根瓦など住宅の一部損壊280件、塀などの附帯被害が71件ありました。県北、芳賀郡の方を過日見回ってまいりましたが、家屋全壊も含めて大変な被害が出ています。現在も瓦礫の処理や土砂崩れの復旧中です。町内には依然として屋根にブルーシートがのっているお宅もあり、今更ながら災害の大きさを思わずにはおられません。心よりお祈り申し上げます。住宅の被災につきましては町で設置しました支援策二つのうちひとつを選択のうえ、ご利用ください。
ボランティア活動で訪れた宮城県七ヶ浜町で目にした風景は衝撃的でした。海沿いの住宅は皆、基礎を残してすっかり消えていました。住宅内の瓦礫や泥を掻き出すにつけ、そこに住んでおられた方々の営みを思い、胸が痛みました。皆さんからは今も多くの義援金をいただいており、頭が下がります。これは日赤を通して被災地の方々に届けられています。今後ともよろしくお願いいたします。
この震災を体験して私たちは本当の幸せの意味をかみしめたに違いありません。物や金よりも目には見えない「心」の繋がりや絆が大切なこと。地域の安全安心も隣近所の連携が基本になることを…そして力を合わせることの大切さを。今も我々は放射能という目に見えない被害に苦しんでいますが、皆さんと共に情報を共有しながら解決に向けて進んでいこうと思います。
被災地の皆さんとお会いしてつくづく感じることは、慎ましやかでかえってこちらが元気をいただく場合が多いことです。私達日本人に残る倫理観を信じ、災害を受けた今年の一年を忘れないでいこう、と思うばかりです。
2011年広報のぎ12月号掲載