皆さん、野木・野渡にある16角形の不思議な形の煉瓦窯をご存知ですか?「野木町煉瓦窯」、わが町が誇るべき国指定重要文化財です。中央の細長い煙突からは煙が出なくなって久しいですが、この、現存する中では我が国で最も古いホフマン式輪窯は、下野煉化製造会社が明治23年に建造し、その後約80年間使われていました。同社の倒産に伴い修復工事が中断し、その後、周辺1万平方メートルの敷地とともに町へ寄付されました。現在は老朽化が進み崩壊の危機のなかで、急ぎ修復工事が待たれる状態です。工事には多額の費用がかかりますので、現在、国や県のご協力をいただくべく努力しているところです。皆さんの力を結集して修復できるようにと、昨年10月基金を立ち上げ募金を開始しました。おかげさまで現在までに、370万円以上のご寄付をいただいております。その中には中学生の1円募金なども含まれ、多くの皆様の暖かいご支援が寄せられています。心より感謝御礼申し上げます。
経済産業省の近代化産業遺産にも認定されている貴重な文化遺産ですので、未来に向けて残すべく、大切に守っていきたいと思います。そしていずれ渡良瀬遊水地に臨む地域一帯が、自然に親しめる「水と緑と歴史のまち」ゾーンとなり、煉瓦窯がその拠点シンボルとなればと願っています。皆様に自由にご見学いただけるよう、早く整備していきたいと思います。この3月には町民有志による「野木町煉瓦窯を愛する会」が結成され、活発に活動しています。町としてもこの煉瓦窯を再生し、その活用を皆さんとともに考えていきたいと思います。野木町みんなの宝ですから!
2010年広報のぎ10月号掲載