町政情報

令和6年度野木町政施政方針

はじめに

   令和6年第2回野木町議会定例会の開会にあたり、町政にあたる所信の一端を申し上げます。
   昨年、野木町では7月10日にダウンバーストの突風被害が発生し、一部に甚大な被害を受けました。被災された皆様には改めてお見舞い申し上げます。また、復旧に向けてご支援いただきましたすべての皆様に、この場を借りまして感謝と御礼を申し上げます。また、今年の元旦早々に発生した能登半島地震により、犠牲になられた方々へは、ご冥福をお祈りするとともに、現在も寒さの中で頑張っておられる被災された全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
   さて、昨年は、町制施行60周年を迎え、町民の皆様と共に祝うことができましたことに心より喜びを感じております。この節目を新たな未来への門出として、確固たる決意をもって進んでまいりますので宜しくご支援の程をお願い申し上げます。
   また一方で、この約4年の長い期間、新型コロナウイルス感染症対応策の経緯もあり、町政では滞った部分も大いにありましたが、ようやく5類に移行となって、様々な制限が解除され、徐々にではございますが、以前の生活に戻りつつあります。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等様々な世界情勢の不安定さ、及び急速な円安等による原材料費の高騰、物価の上昇等が重なり、町民の皆様には、大きな影響を及ぼしていると拝察いたします。
   このような状況下で、昨年度町では国の交付金等を大いに活用し、原油・物価高騰対策として子育て世帯生活支援特別給付金やプレミアム商品券事業等を実施してまいりました。今後も少しでも町民の皆様の生活安定に向けて、最大限努力してまいります。
   先人の皆様が築き上げたこの野木町を時代の変化に柔軟に対応しながら発展させていくためにも、町民・議会・行政がそれぞれの役割を発揮し、「オール野木」体制で歩んでまいりたいと思っておりますので、引き続き皆様のご協力をお願い申し上げます。
   それでは令和6年度の町政運営の基本方針を申し上げます。

町政運営の基本方針

   町は、引き続き第8次野木町総合計画「キラリのぎプラン」後期基本計画および第2期野木町総合戦略等に基づき、「水と緑と人の和でうるおいのあるまち」を将来像に掲げ、まちづくりの基本理念を「やさしさとやすらぎに満ちた明るいまち」と位置づけ、町民が和やかに、明るく、町民それぞれの幸福度、ウェルビーイングが増していくようなまちづくりを目指して、各施策の実現に向けて、尽力してまいります。
   また全庁的なDXの推進により町民の皆様の利便性の向上を図るとともに、カーボンニュートラルの実現を目指しながら、時代に即応した町政運営を進めてまいります。
   我が国は、深刻な少子高齢化・人口減少社会を迎え、野木町もその例外ではありません。国においては昨年、子どもが等しく健やかに成長することができる社会の実現に向け「こども家庭庁」を創設しました。町も、「子どもは町の宝」と位置づけ、子育て支援の充実を図ってまいりました。さらに引き続き、「子育てしやすく暮らしやすいまち」野木町を推進して、「子育てするなら野木町で」と言われるように、努力してまいります。町の未来を担う大切な子ども達を地域全体で育み、将来、町づくりに参加していただけるように若い力をみんなで育てていければと思っております。
   また、あらゆる世代のリカレント教育のために、生涯学習の拡大と促進による学びの場の提供を行うとともに、ボランティア活動の支援、推進により町民相互の交流、ネットワークの拡充も図ります。特に女性や高齢者、障がい者等も活躍できるユニバーサルな環境を整えていきたいと思っております。
   さらに、これらの推進をもとに男女ともに輝く男女共同参画のまちづくりを促進します。
   厳しい財政状況が続く中ではありますが、財政運営には効率的かつ持続可能な政策が求められております。いかなる状況下でも、町は常に町民の視点に立ち、町民との協働事業を優先的に進め、町民の皆様の満足度を増すようなまちづくりの実現にあたってまいります。
   今年度も、戦略的に取り組んでいく施策として、「安全・安心のまちづくり」「少子高齢化対策」「町の活性化策」の3重点施策を中心に推進を図ってまいります。
   それでは、3重点施策の主なものを申し上げます。

令和6年度の重点施策

安全・安心のまちづくり

   安全・安心策としまして、令和6年度におきましては、第4回目となります全町避難訓練を実施いたします。関連団体、機関、自治体、県、国等との連携を図りながら、有意義な避難訓練となるよう努めてまいります。
   また、防災減災対策としては、まず、近年激しさを増す想定以上の集中豪雨対策として、下水道や排水の施設において氾濫シミュレーションも含む、新たなハザードマップの作成を行い、町民との協働の防災意識の高揚に努めます。また、逆川排水機場のストックマネジメントを引き続き推進いたします。
   思川につきましては、国において、松原大橋上流の築堤事業並びに松原大橋下流の樹木等の伐採事業を進めていただいておりますので、今後も国や県と連携し、早期完了に向けて事業を推進してまいります。
   いずれの事業につきましても、近年の記録的な豪雨や大型台風、地震などの自然災害の激甚化、頻発化、広域化に対応するため、「野木町国土強靭化地域計画」に基づき、引き続き自然災害への万全な備えを行い、安全で安心して暮らせるまちづくりの推進を強化してまいります。
   道路・交通網については、まず道路整備において、町民の安全確保を第一に考え、通学路でもある2級幹線8号線舗装修繕工事や野木工業団地内の道路整備を地元企業様のご協力をいただきながら進めてまいります。
   次に公共交通対策として、令和5年度に策定した地域公共交通計画に基づき、引き続きデマンドタクシー運営の利便性向上に努めるとともに、「多様なニーズに対応する公共交通」を目指し、調査研究してまいります。
   さらに、物価高騰に伴う学校への給食食材費の補助を行ってまいります。

少子高齢化対策

   人口減少や少子高齢化の進展に伴い、町民が抱える課題は複雑化・複合化しておりますが、出産・子育て支援を促進し、医療・介護・福祉の充実を図ってまいります。現在、総合サポートセンター「ひまわり館」では、子育て中の若い世代や高齢者の方、生活困窮者や障がいをお持ちの方等の様々な相談や支援をワンストップ体制で行っております。これは国の進める地域共生社会の実現に向けた重層的支援体制整備事業とも合致しますので、引き続き包括的な支援体制の充実を図ってまいります。
   また、子育て世代包括支援センターにおきましては、全ての妊婦や子育て家庭が安心して出産や子育てができる環境を整備するため、妊娠期から出産、子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなげる「伴走型相談支援」と出産や育児にかかる負担の軽減を図る「経済的支援」を一体的に行う「出産・子育て応援交付金事業」を充実させてまいります。また、教育委員会に設置した「子ども家庭総合支援拠点」では、児童虐待や心の相談等の家庭内の問題について、保健師や社会福祉士等も加わり、解決に向けて一体的に取り組んでまいります。
   子育て支援策としましては、引き続き18歳までの医療費無料化や出産祝金、第3子以降小中学校等入学祝金支給を行ってまいります。また、多くの子育て世帯を支援するために、保育園、学童保育ともに待機児童ゼロを目指します。さらに、3歳児未満の第2子保育料免除事業を4月から施行してまいります。
   学校教育部門では、保護者の学校給食費の負担軽減のために、学校給食費補助を行います。また、引き続き幼保・小・中連携により能力向上を図るとともに、町単独で非常勤講師、支援員、スクールカウンセラー等を加配し、児童生徒一人ひとりの個性の伸長を目指します。さらにGIGAスクール構想により整備したICT教育の環境を十分に活用していくとともに、給付型奨学金制度も継続実施いたします。施設面では佐川野小学校の外壁改修工事を行うとともに、各小中学校校舎照明のLED化に向けての準備を行い、学びやすい教育環境の整備に努めてまいります。また、英語教育の充実を図るため、ALT全校配置、英検3級の検定料補助等を継続するとともに、特に英語力向上推進リーダーを配して、小中学校教職員への授業支援を実施してまいります。また、ネイティブな英語に接する体験として、小学生のイングリッシュキャンプや中学生の海外派遣を実施するとともに、オールイングリッシュ授業や海外との交流事業をさらに推進してまいります。一方、「自分達で野菜を育て、収穫し食べる」という体験をとおして「自分で考える力」や「自然と向き合う心」等を育むことにより食農教育を強化してまいります。
   読書のまちづくりといたしましては、子どもの読書意欲を喚起するために、学校図書館司書についても全校に配置するとともに、ブックスタートの拡充、ブックプラスワン事業の継続を図り、「きらりと光る読書のまち野木宣言」にふさわしい読書活動を推進いたします。
   高齢者への支援策としましては、皆様がいつまでも安心して健やかに生活できるよう、フレイル予防等の各種教室や講習会を開催し、サポートしてまいります。また、地域での高齢者の集いの場や生きがいづくりを支援するため、各地のふれあいサロンや老人クラブ等、集いの場の活動を継続して支援します。また、一人暮らしや高齢者のみの世帯の方には、安全安心見守りネットワーク事業に加え、緊急通報装置の貸与を行い、軽度生活支援事業等もご利用いただき、一人ひとりの状態に応じて安心した自立性の高い暮らしが続けられますように支援してまいります。高齢者外出支援事業、高齢者への配食サービス、高齢者等のごみ出しサポート、町外の病院等への高齢者通院時タクシー料金助成、高齢者等見守りキーホルダー交付などの事業も引き続き力を入れてまいりたいと思います。いずれの事業におきましても、関係機関との連携や協働により、高齢者の皆様へ行き届いたやさしい生活支援を進めてまいります。以上の施策により、やさしさとやすらぎに満ちた環境づくりを促進してまいります。

町の活性化策

   商業・観光振興により、にぎわいを創出し、活力に満ちたまちづくりを行ってまいります。まず、町の一大イベントであります「ひまわりフェスティバル」については、一昨年は新型コロナウイルスの影響で様々な制限下の開催となりましたが、昨年は5類に移行したことに伴い、特に制約を設けず開催したところ多くの皆様にご来場いただき、盛会のうちに終了することができました。本年も夏の風物詩として「ひまわりの里」野木町にふさわしいフェスティバルの開催を目指してまいります。さらには、煉瓦窯におけるレンガ窯フェスタや農・商・工一体となった産業振興を図る「産業祭」につきましても、引き続き開催してまいります。また、本年は「キラリと光る読書のまち野木」を宣言して10年、ブックスタートを開始して20年という節目の年でありますので、心豊かで、文化の薫り高い「読書のまち」を再認識できるような記念事業を開催したいと思います。
   野木町文化会館においては、多様な文化・芸術に触れ、楽しむことができるよう、町民にとって、より利用しやすい会館を目指すとともに、町の文化振興に役立つ施設として運営してまいります。
   農、商、工の活性化としましては、農業経営安定化事業、中小企業融資策、企業誘致奨励関連事業等を行ってまいります。まず町の産業の第一と位置づける農業の振興のために、引き続き農業の法人化や経営規模の拡大、中谷土地改良の推進、グリーン農業やスマート農業の振興、そして地域計画の策定や新規就農者への支援を重点的に進めることにより、町の大きな課題である後継者不足の解消にも努めてまいります。
   商業の振興につきましては、商工会支援策を推進してまいります。
   工業の振興につきましては、企業誘致による財政力の強化を図るため、そして働く場の確保のため、野木第二工業団地に続く新産業団地の開発に向け、調査研究してまいります。
   次に、町民の皆様がいつまでも健康でいきいきと暮らせるよう健康タウンのぎ事業としまして、引き続き“肺がん”と“大腸がん”の検診の際の自己負担ゼロを継続してまいります。がんの早期発見、早期治療に大変有効であることから、多くの皆様に検診に来ていただけるよう周知してまいります。また、季節性インフルエンザの予防のため、65歳以上の高齢者の方と18歳以下の方も対象としたワクチン接種の助成も引き続き行っていくとともに、新たに50歳以上の方を対象とした帯状疱疹ワクチン接種の助成も開始いたします。
   また、時代に即した事業にも力を入れてまいります。昨年、町では地球温暖化対策として町民・事業者・町が一体となり2050年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指す「野木町ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。
   この宣言に伴う脱炭素化推進事業として、町で公共施設等の照明LED化や公用自動車のEV化をすすめます。また町民の皆様に対しては、電気自動車購入費や住宅用太陽光システム、蓄電システム購入費及びゼロエネルギーハウス購入費の補助も行ってまいります。
   DX推進事業としては、令和5年度に転入・転出等の届出について、「オンライン申請システム」を導入し、住民課窓口業務の一部デジタル化を行いましたが、さらに町民の皆様の利便性に供するため、オンライン申請の拡充に努めます。
   また、縁結び事業として、新婚世帯の住居費用の助成も行ってまいります。
   今後も、野木町は「子育てしやすく暮らしやすい町」であることを、対外的に広く呼びかけ、より多くの人に住んでいただけるように、定住促進の補助、移住支援金等を継続実施し、移住定住の促進を図ってまいります。さらに、中心市街地の活性化を進めるために、空き家の利活用の促進に努めてまいります。また、豊かな緑地資源の保全や活用も考えていかなければならないと思いますので、緑の基本計画に基づき緑のまちづくりを促進してまいります。
   以上3重点施策につきましては、いずれも町にとりましては、重要な施策ばかりですので、確実に実行し、町の発展に繋げてまいりたいと思っております。

予算編成の基本方針

   次に令和6年度の「予算編成の基本的な考え方」についてご説明申し上げます。
   新年度予算案につきましては、国や県の補助金などを活用して財源を確保するとともに、歳出では事業の見直しを図り持続可能な予算編成といたしました。
   令和6年度一般会計予算(案)は、88億5,100万円とし、昨年度と比較して、3億100万円、約3.5%の増となっております。
   予算総額につきましては、常備消防事務委託費や自立支援給付事業費の増が増えた主な理由となっておりますが、継続的に3重点施策を確実に推進するための予算組みとしております。
   他に、4つの特別会計予算(案)の合計は、53億3,773万円となり、昨年度と比較して670万円、約0.1%の増額となっております。
   国民健康保険特別会計は、被保険者の減少等により減額となり、高齢化の進展に伴う被保険者数の増加により後期高齢者医療特別会計は増額となっております。介護保険特別会計につきましては、近年の保険給付費の増減を踏まえた予算計上を行い、引き続き安定した介護保険事業を行ってまいります。
   水道事業会計及び下水道事業会計につきましては、地方公営企業法に則し、適正な運営を行ってまいります。
   また、将来にわたり、安定的な上下水道サービスを維持するため、堅実な経営に努めてまいります。
   以上が令和6年度予算編成の概略でございます。なお、執行にあたりましては慎重かつ細心の注意を払い、効果的な施策となるよう努めてまいります。

むすびに

   現在の町の財政事情は、引き続き厳しい状況ではありますが、限られた財源の中、令和6年度もあらゆる工夫を重ねて、町民生活の利便性の向上、安全安心の確保、さらに町の活性化のために全力で取り組みます。
   私たち行政の務めは、町民の皆様が安全に安心して充実した生活を送っていただくことです。そのために、国や県、他自治体とも連携を図りながら、スピード感を持って、各事業にあたってまいります。
    また、各施策の推進にあたっては、多様な生き方や価値観が認め合え、互いに支え合うことができる町づくりが大切であると考えております。
   さらに、わが町も社会の変化に対応していけるよう、DXの推進及び脱炭素化への取り組みなどを促進し、SDGsの理念に沿った持続可能な行政運営を実現してまいりたいと思っております。
   最後になりますが、本町は「やさしさとやすらぎに満ちた明るいまち」をまちづくりの理念としております。町制施行60周年を迎えた野木町が「小さくてもキラリと光るまち」、そして「誰もが幸せを感じるまち、野木町」として、未来に心をつないで歩みを進めていけるよう、町民の皆様との協働を旗印に進み、町民の皆様の笑顔が一層輝くように、力を尽くしてまいります。
   今後とも皆様のご指導ご鞭撻を心よりお願い申し上げまして、令和6年度の施政方針といたします。
   ご清聴ありがとうございました。

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政策課 未来創造係

〒329-0195 栃木県下都賀郡野木町大字丸林571 役場本館2階

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  • 【更新日】2024年3月29日
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