上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等について、令和5年度(令和4年分)課税までは所得税と町県民税で異なる課税方式を選択できましたが、令和4年度の税制改正により、令和6年度(令和5年分)から所得税と町県民税の課税方式を一致させることとなり、異なる課税方式を選択することができなくなります。
この改正により、所得税において上場株式等に係る所得を申告する場合は町県民税においても申告することとなり、申告した上場株式等の配当所得等及び譲渡所得等は、町県民税の非課税判定や国民健康保険税等の算定の基準となる合計所得金額に算入されます。令和6年度(令和5年分)以降の申告の際は、ご注意ください。
対象となるのは、町県民税が特別徴収されている上場株式等の配当所得と、町県民税が特別徴収されている特定口座内の上場株式等の配当所得等及び譲渡所得です。
※ 上場株式等の譲渡所得には平成28年1月1日以後の特定公社債等の譲渡所得を含みます。
※ 町県民税が特別徴収されていない特定口座については申告不要制度は適用されません。
申告する場合
上場株式等に係る配当所得等
- 総合課税で申告する場合
・町民税6%、県民税4%が課税されます。
・配当控除と配当割額控除を適用することができます。
・上場株式等の譲渡損失と損益通算することができません。
・合計所得金額に算入されるため、町県民税の非課税判定や国民健康保険税等の算定に影響が出る可能性があります。 -
分離課税で申告する場合
・町民税3%、県民税2%が課税されます。
・配当控除は適用されません。
・配当割額控除を適用することができます。
・上場株式等の譲渡損失と損益通算することができません。
・合計所得金額に算入されるため、町県民税の非課税判定や国民健康保険税等の算定に影響が出る可能性があります。(※)
※ 分離課税で申告する場合、合計所得金額には「損益通算後かつ繰越控除前の金額」が算入されます。
上場株式等に係る譲渡所得等(分離課税)
・町民税3%、県民税2%が課税されます。
・株式等譲渡所得割額控除を適用することができます。
・上場株式等に係る配当所得等(分離課税)と損益通算することができます。(※1)
・合計所得金額に算入されるため、町県民税の非課税判定や国民健康保険税等の算定に影響が出る可能性があります。(※2)
※1 一般株式等に係る譲渡所得とは損益通算できません。
※2 合計所得金額には「損益通算後かつ繰越控除前の金額」が算入されます。
申告する場合に影響が出る可能性のあるもの
・町県民税…非課税判定、扶養控除等の適用、医療費控除や寄附金控除の控除限度額等
・そ の 他…国民健康保険税・介護保険料・後期高齢者医療保険料の算定、医療費の窓口負担割合等
申告しない場合
・配当割額控除・株式等譲渡所得割額控除が適用されないため、特別徴収された町県民税の充当・還付はありません。
・損益通算できません。
・町県民税の非課税判定や国民健康保険税等の算定に用いられる所得に算入されません。
譲渡損失の繰越控除
令和5年度(令和4年分)までは、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用要件や適用額が所得税と町県民税で異なっていましたが、上場株式等に係る所得の課税方式が統一されたことに伴い、令和6年度(令和5年分)から上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用要件や適用額についても統一されます。
譲渡損失の繰越控除の適用要件
町県民税における上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除について、令和5年度(令和4年分)までは住民税申告書を提出することで適用していましたが、令和6年度(令和5年分)からは確定申告書を連続して提出する場合のみ適用することとなりました。
これにより、町県民税において上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除を適用する場合は、確定申告書の提出が必要となります。令和6年度(令和5年分)以降の申告の際は、ご注意ください。
※ 上場株式等に係る所得の確定申告は、町の会場では受付できません。
所得税の確定申告は、税務署かスマートフォン・パソコンで申告をお願いします。
譲渡損失の繰越控除の適用額
町県民税における上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除について、令和5年度(令和4年分)までは所得税と町県民税で異なる課税方式を選択することができたため、所得税と町県民税で繰越控除の適用額が異なる場合がありましたが、令和6年度(令和5年分)からは、所得税における繰越控除の適用額と同額が町県民税において適用されます。
町県民税においてのみ繰越控除を適用している場合
町県民税においてのみ上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除を適用している場合、令和5年分の確定申告書を提出しても、令和5年度分の町県民税における繰越損失は令和6年度分の町県民税の繰越控除として適用されません。
所得税と町県民税で異なる金額の繰越控除を適用している場合
所得税と町県民税で上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用額が異なる場合、令和6年度分以降の町県民税においては、所得税における繰越控除の適用額が町県民税にも適用されます。