家屋の要件
固定資産税においては家屋要件を満たしているか否かで、課税対象となる家屋であるかを判断しています。家屋要件とは「(1)外気分断性」「(2)土地への定着性」「(3)用途性」の三つです。
(1)外気分断性
外気分断性とは、風雨などから人や物を十分に保護する能力を備えているか否かです。屋根があり、かつ三方が壁に囲まれている家屋は、外気分断性を備えていると判定されます。
(2)土地への定着性
土地への定着性とは、建物が土地に固着しているか否かです。一定期間を過ぎれば解体してしまうようなものではなく、今ある状態で継続的に使用されるかということも考慮されます。一般的には、基礎工事などによって物理的な結合がなされているものは土地への定着性があると判定されます。
(3)用途性
用途性とは、建造物が家屋本来の目的(居住・作業・貯蔵等)を有し、その目的とする用途に供し得る一定の利用空間が形成されていることをいいます。
家屋判定の実例
- 物置
ホームセンターなどで売られている物置は外気分断性があり、用途性も認められるため、土地への定着性があるか否かで課税対象であるかが判定されます。
四隅にコンクリートブロックを置き、その上に乗せただけの物置は、土地への定着性が無いため課税対象となりません。一方、基礎工事をして容易に動かすことが困難な物置は、土地への定着性があると判断され課税対象となります。 - カーポート
柱や屋根だけで構成されたようなカーポート、あるいは外壁が二方向までの車庫については、外気分断性を満たしていないと判断され、家屋として課税はされません。
ただし、店舗や事務所等において来客用(事業用)のカーポートを設置した場合、償却資産となりますので申告の義務があります。 - ビニールハウス
例え基礎工事がされ軽量鉄骨の骨組がしっかりと組まれていたとしても、屋根や周壁に使用している資材が耐用年数1年~3年のビニールフィルムである場合は、恒久的な資材として認められないので家屋としての課税はされません。
一方屋根や周壁に使用している資材がアクリル樹脂であった場合は、10年~15年の耐用年数があり、家屋要件を全て満たすと判断されますので、課税の対象となります。