立春の声を聞けば春を感じるところですが、今月は一年を通して一番寒さが厳しい月です。しかし確実に日が長くなってきているので、私にとっては、日の出と日の入りをゆっくり楽しめる日々でもあります。それは、空気も澄んで、遠くまではっきりと景色が際立ってくるからだと思います。
朝、曙光に浮かぶ筑波山の姿が確認できると、なぜか一日が心ウキウキです。また暮れようとする赤い夕空を背景に、今度は遠く富士山を望めば、なぜか心落ち着いて明日に向かえそうな気になります。一日の初めと終わりに素晴らしい自然の力を感じることができるのも、幸せなことだと思います。特に太陽が低い朝夕の風景は始まりと終わりのドラマが見られるので、心をとらえて離さないのかもしれません。
さて、はじめと終わりの話を人生に置き換えてみましょう。最近ではよく「人生百年の時代」といわれますが、その前半50年と後半50年の輝かせ方にめりはりが持てればと思っています。「人生50年」の時代からすれば倍の時代となりました。定年60歳の考え方も徐々に変わるかもしれません。しかし、どんな時代となっても人生何年の考えになっても変わらないのが、一日の明け暮れの繰り返し、積み重ねであることです。今日一日をしっかりと生ききる。その繰り返しを確実にすることが、まず大切だと自分に言い聞かせております。朝焼け夕焼けにしみじみ教えられました。
2018年広報のぎ2月号掲載