緑豊かな5月となりました。野木町の水田や平地林そして渡良瀬遊水地の色とりどりの緑も美しく、自然がエネルギーを溢れさせる気持ちのいい季節となりました。この時期には町の鳥である「フクロウ」も、元気に力いっぱい子育てに集中する姿が見られます。特に野木神社には毎年営巣が見られ、白くかわいい幼鳥が顔を出すと、微笑ましくて嬉しくなります。これも自然豊かな証拠です。
さてフクロウは、古来より、洋の東西を問わず、大変縁起がいい吉鳥とされてきました。特に日本では、福が来る“福来ろう”、福が籠る“福籠”、苦労知らずの“不苦労”、幸せに年を重ねる“福老”、福が来て喜ぶ“福朗”など、様々な文字を当てて、語呂合わせでも幸運のシンボルとなっています。
さらに世界に目を転じれば、だいたい崇拝の対象として縁起のいい鳥となっています。古代エジプトでは物知りな知恵の神であり、ギリシャ神話では知恵の女神アテナの従者として、ローマ神話では知恵や医学の女神ミネルバの従者として表現されています。ネイティブアメリカンの間では危険の預言者、中南米では家の守護神、中国では悪魔祓いの鳥とされています。おおむね知恵者として崇拝される守り神といえるでしょう。それはフクロウが、ほぼ360度首が回り、大きな視野で見渡せ、暗い夜でも目がよく見えて、どんな小さなものでも見逃さないことからきているのだと思います。学問の守り神としても知られています。
そんなわけで日本でも学問や学業の成就、招福招来、健康長寿、機を見逃さない事で商売繁盛へ、等色々な守り神として縁起のいい鳥となっています。
まだ豊かな自然が残っているこの野木町で、今年もフクロウが無事にひなを育て上げますように!と祈っています。そしてコロナが退散して、町にも早く幸せが訪れますように!フクロウも棲む招福のまちですので。
2021年広報のぎ5月号掲載