新元号が「令和(れいわ)」と決まりました。いよいよ2019年5月1日よりスタートします。第248番目の元号だそうです。出典は「万葉集」ということで、元号を日本の古典(国書)より採用したのは、確認できる限り初めてであるということです。それまでは中国の古典、故事に準拠するものが発想の源でしたが、今回は国書より採択ということですので、より親しめる元号になると期待が膨らみます。
さて、新しい元号の「令和」は、「万葉集」巻5の梅花の歌32首巻頭の序の部分「初春令月、気淑風和」から引用されています。早春の素晴らしい月のもと、さわやかな風が吹いてくる、という意味でしょうか。続いて梅やランの花の素晴らしさも示しており、全体としては、梅の開花とともに春が訪れた喜びに満ちています。庶民から皇族まで多くの日本の人々の和歌が万葉集には収められていますが、序文は漢字表記であり、中国と日本の双方に足がかりを持つと考えられる点には注目したいと思います。
皇太子さまが新天皇に即位され、平和の中に象徴としての天皇の在り方を常にお示しになり、災害時にはいつも被災者に寄り添ってこられた平成の天皇陛下と皇后陛下には、心からの尊敬をもって感謝申し上げたいと思います。今後は安らかなお暮しをと僭越ながら願うばかりです。
生涯でもめったに出会えない改元の時を迎え、私もここで少し立ち止まり、見直すことで、再スタートのチャンスとしたいと思います。野木町としても「令和」という元号に込められた意味を受け止め、人々が美しく心寄せ合う中で文化が生まれ育っていく、穏やかで安らげる町へと、決意新たに取り組んでいきたいと思います。そして、人々が心安らかに暮らせる、安心して住み続けられる町にしたいとさらに強く思ったところです。
令和の時代をさらに良き時代とする為、これからも皆様とともに力を合わせて歩んでいこうと思っております。「令和」が、我が国の豊かな文化と長い伝統を象徴する「万葉集」に典拠する由来が、この後大きく生かされるようにと願っています。
2019年広報のぎ5月号掲載