令和に元号が変わり、早1ヶ月以上が経ちました。すっかり令和の年号に浸って、なぜか自分が新しく変わったような気分になるから不思議です。今、改めて感じたことなどを少々書かせていただきます。
令和元年の初日である5月1日に、町で受け付けた婚姻届けは、9件でした。これは通常より多く、記念としてボードの前で写真を撮っていただいたり、JAおやまからのプレゼントの花束を贈呈されたりと、それぞれお喜びいただきました。職員にもその気持ちが伝わり、幸せをいっぱい感じることができたと聞いた時は、ことさらうれしく思いました。
ところで先月は令和の意味や解釈等を少し書きましたが、加えて今回は、1文字ずつを考えてみました。令和の「令」は清らかで美しく立派なこと、と意味づけられるそうです。また「和」は仲良くすること、互いに相手を大切にして協力しあうこと、争わないこと等だそうです。これらを知れば知るほどに私たち誰もが納得するような素敵な内容であると思いました。町としても令和に相応しい良き時代としなければと思っています。
それには、平成の時代をもう一度振り返ったうえで町政を進めていくことが大切な事と思います。いみじくも先の天皇陛下(現 上皇)が今年の歌会始にお読みになられた御製によく表現されていると思います。その一首は次の通りです。
贈られし ひまはりの種は 生え揃ひ 葉を広げゆく 初夏の光に
平成31(2019)年 天皇御製
これは平成7年の阪神淡路大震災の追悼式典の時に遺族の人より贈られた「はるかのひまわり」の種を毎年皇居で咲かせてこられた事に因んでの御歌と思われます。災害が比較的多く発生した平成の時代を、いつまでも心にとどめて忘れない陛下の思いが十分伝わる内容です。
わが町でも、このひまわりの種を被災地よりいただき、町民にも配りました。我が家の畑の一角に今年も芽を出し育っています。それは青空に高くまっすぐに伸びていく力強いひまわりの花を咲かせます。震災で亡くなった「はるかさん」の思いを天に届かせるような花です。平成の陛下が最後の歌会始に、震災関係を取り上げてくださったことは、常に国民に寄り添い、被災した人たちを忘れないというメッセージであると思います。私たちも忘れないで次の令和に進みましょう。
新緑が目に染みるすがすがしい季節に、改めて「心寄せ合い平和で美しい」令和の野木町に向けて皆様とともに頑張っていきたいと思います。多様な時代だからこそ、心寄せ合い素晴らしい未来が共有できるように工夫し、努力を重ねてまいります。
2019年広報のぎ6月号掲載